○大桑村地籍調査作業規程
昭和62年7月1日訓令第2号
大桑村地籍調査作業規程
目次
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 計画(第9条―第12条)
第3章 一筆地調査
第1節 準備作業(第13条―第21条)
第2節 現地調査(第22条―第35条)
第4章 地籍測量
第1節 総則(第36条―第40条)
第2節 地上法
第1款 総則(第41条―第46条)
第2款 地籍図根三角測量(第47条―第51条)
第3款 地籍図根多角測量(第52条―第57条)
第4款 細部図根測量(第58条―第66条)
第5款 一筆地測量(第67条―第74条)
第3節 航測法(第75条―第83条)
第5章 地積測定(第84条―第86条)
第6章 地籍図及び地籍簿の作成(第87条―第89条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 国土調査法(昭和26年法律第180号。以下「法」という。)第2条第1項第3号の地籍調査(以下「地籍調査」という。)に関する作業に関し必要な事項を定める。
(趣旨の普及)
第2条 村長は、あらかじめ地籍調査の意義及び作業の内容を一般に周知させ、その実施について土地の所有者その他の者の協力を得るように努めるものとする。
(地籍調査の作業)
第3条 地籍調査の作業は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 毎筆の土地についてその所有者、地番、地目及び境界の調査(以下「一筆地調査」という。)
(2) 一筆地調査に基づいて行う毎筆の土地の境界(以下「筆界」という。)の測量(以下「地籍測量」という。)
(3) 地籍測量に基づいて行う毎筆の土地の面積の測定(以下「地積測定」という。)
(4) 地籍図及び地籍簿の作成
(計量単位)
第4条 地籍測量及び地積測定における計量単位は、計量法(平成4年法律第51号)第3条及び第5条に規定する計量単位並びに同法第6条及び第7条に規定する補助計量単位によるものとする。
(管理及び検査)
第5条 村長は、当該調査が国土調査法施行令(昭和27年政令第59号。以下「令」という。)別表第4に定める誤差の限度内の精度を保ち、かつ、当該調査に関する記録の記載又は表示に誤りがないように管理し、及び検査を行うものとする。
(記録等の保管)
第6条 村長は、調査図、地籍調査票、測量記録その他地籍調査に関する記録を保管しなければならない。
(作業班の編成)
第7条 村長は、単位区域及び単位作業を考慮して作業班を編成し、その責任者を定めるものとする。
2 前項の責任者は、担当する作業を計画的に管理しなければならない。
(規程に定めのない方法)
第8条 村長は、地形の状況等によりこの規程に定める方法によりがたい場合には、国土庁長官の承認を受けて、この規程に定めのない方法により地籍調査を実施することができる。
第2章 計画
(地籍調査の実施に関する計画)
第9条 村長は、当該地籍調査の開始前に、次の各号に掲げる事項について地籍調査の実施に関する計画を作成するものとする。
(1) 調査地域及び調査面積
(2) 調査期間
(3) 精度及び縮尺の区分
(4) 地籍測量の方式
(5) 作業計画
2 地籍調査が法第6条の3第5項の規定により公示された事業計画に基づくものである場合には、前項の計画は、当該事業計画に従つて作成しなければならない。
(調査地域の決定の基準)
第10条 前条第1項第1号の調査地域は、原則として大桑村の区域をその地域とするものとする。ただし、前条第2項の場合には、大桑村の区域のうち一会計年度において地籍調査を実施しようとする区域をその地域とする。
2 前項の調査地域は、不動産登記法(明治32年法律第24号)第79条第1項の地番区域(以下「地番区域」という。)をその区域とする単位区域に区分するものとする。ただし、地番区域が狭小な場合又は過大な場合その他必要な場合には、二以上の地番区域を一単位区域とし、又は地番区域の一部を一単位区域とすることができる。
(精度及び縮尺の区分)
第11条 第9条第1項第3号の精度及び縮尺の区分は、令第2条第1項第5号及び令別表第4に定める区分によつて定めるものとする。
(作業計画)
第12条 第9条第1項第5号の作業計画は、単位区域ごとに、かつ、単位作業別に定めるものとする。
2 前項の単位作業とは、一筆地調査、地籍測量、地積測定並びに地籍図及び地籍簿の作成の各作業をいい、地籍測量は、第41条及び第75条に定める地籍測量の順序に従つて区分することができる。
3 第1項の規定により作業計画を作成するに当つては、作業の経済的運用、単位作業間の相互の関連及び進度並びに他の単位区域における作業との関連を考慮するものとする。この場合において、地上法による地籍測量における一筆地測量又は航測法による地籍測量における空中写真撮影の時期と現地について行う一筆地調査の時期との間隔をできるだけ少なくするように特に考慮するものとする。
第3章 一筆地調査
第1節 準備作業
(作業進行予定表の作成)
第13条 一筆地調査は、前条の規定により作成された作業計画に基づき、作業進行の予定表を作成し行うものとする。
(単位区域界の調査)
第14条 一筆地調査を行おうとする場合には、あらかじめ単位区域界の概略を現地について調査しなければならない。
(調査図素図等の作成)
第15条 一筆地調査は、調査図素図、調査図一覧図及び地籍調査票を作成して着手するものとする。
(調査図素図の作成)
第16条 調査図素図は、調査を行おうとする単位区域を適当に区分し、その区分した部分ごとに、不動産登記法第17条の地図又はこれに準ずる図面(以下この条において「登記所地図」という。)を透明紙に透き写したもの又は写真複写したものに、次の各号に掲げる事項を表示して作成するものとする。
(1) 名称
(2) 番号
(3) 縮尺及び方位
(4) 土地の所有者の氏名又は名称
(5) 地番
(6) 地目
(7) 隣接する区域に係る登記所地図の名称又は調査図素図の番号
(8) 作成年月日及び作成者の氏名
2 前項第1号、第3号及び第5号に掲げる事項は登記所地図により、同項第4号及び第6号に掲げる事項は不動産登記法第14条の土地登記簿(以下「登記簿」という。)により表示するものとする。
3 調査図素図は、大桑村において保管する地方税法(昭和25年法律第226号)第341条第1項第10号の土地課税台帳(以下「土地課税台帳」という。)及び同法第380条第2項の資料を用いて作成することができる。この場合においては、作成後遅滞なく登記所地図及び登記簿と照合しなければならない。
(調査図一覧図の作成)
第17条 調査図一覧図は、調査図素図の接合関係を示す図面に次の各号に掲げる事項を表示して、調査を行おうとする単位区域ごとに作成するものとする。
(1) 名称
(2) 調査図素図の番号
(3) 単位区域に隣接する地番区域の名称
(4) 作成年月日及び作成者の氏名
(地籍調査表の作成)
第18条 地籍調査表は、毎筆の土地について、登記簿に基づいて作成するものとする。
2 地籍調査表は、土地課税台帳を用いて作成することができる。この場合においては、作成後遅滞なく登記簿と照合しなければならない。
3 地籍調査表は、地番区域ごとに、地番の順序につづり、表紙を付し、これに土地の所在、最初の地番及び最終の地番、簿冊の番号、作成年月日及び作成者氏名を記載するものとする。
(現地調査の通知)
第19条 村長は、調査図素図、調査図一覧図及び地籍調査票の作成の終了時期が明らかとなつたとき又はその作成を終了したときは、現地について行う一筆地調査(以下「現地調査」という。)に着手する時期を決定し、現地調査を実施する地域内の土地の所有者その他の利害関係人又はこれらの者の代理人に、実施する地域及び時期並びに調査に立ち会うべき旨を通知するものとする。
(標札等の設置)
第20条 村長は、土地の所有者その他の利害関係人又はこれらの者の代理人の協力を得て、現地調査に着手する日までに、毎筆の土地について、その所有者の氏名又は名称、地番及び地目を記載した標札並びに筆界標示杭を設置するものとする。
2 前項の筆界標示杭は、筆界を標示するために必要な位置に設置するものとする。
3 後続の作業及び筆界の明確化に資するため、数筆の土地の筆界標示杭のうち周辺の土地の特定に有効なものを筆界基準杭とし、永続性のある標識を設置するものとする。
(市町村の境界の調査)
第21条 村長は、現地調査に着手する前に、当該現地調査に関係のある市町村の境界を調査するものとする。
2 前項の規定による調査を行うに当つては、関係市町村の関係職員の立会いを求めるとともに境界に接する土地の所有者その他の利害関係人又はこれらの者の代理人を立ち会わせ、それらの者の同意を得て分岐点、屈曲点、その他必要な地点に境界標を設置するものとする。
3 前項の規定による境界標の設置ができないときは、調査図素図の当該部分に「境界未定」と朱書するものとする。
第2節 現地調査
(現地調査の実施)
第22条 現地調査は、調査図素図に基づいて、おおむね土地の配列の順序に従い、毎筆の土地について、その所有者、地番地目及び筆界の調査を行うものとする。
2 前項の調査には、当該調査に係る土地の所有者その他の利害関係人又はこれらの者の代理人の立会いを求めるとともに、その経緯を地籍調査票に記録するものとする。
3 第1項の調査を行つたときは、調査図素図に調査年月日を記録するとともに、調査図素図の表示が調査の結果と相違しているときは、当該表示事項を訂正し又は修正しその他調査図素図に必要な記録をして調査図を作成するものとする。
(分割があつたものとしての調査)
第23条 登記されている一筆の土地が次の各号の一に該当する場合には、当該土地の所有者の同意を得て、分割があつたものとして調査するものとする。
(1) 土地の一部の地目が異なる場合
(2) 土地の一部について地番区域を異にすることとなる場合
(3) 土地の一部が、みぞ、かき、さく、へい等で区画されている場合その他の場合で明らかに土地の管理上分割があつたものとして調査を行うことが適当であると認められるとき(一筆の土地の一部について地役権が設定されている場合を除く。)
(合併があつたものとしての調査)
第24条 所有者及び地目を同じくする二筆以上の土地が同一地番区域内において字を同じくして接続し、かつ、それらの筆界を現地について確認することができない場合又はそれらの全部若しくは一部の面積が著しく狭小な場合には、当該土地の所有者の同意を得て、合併があつたものとして調査するものとする。ただし、次の各号の一に該当する場合には、当該土地については、この限りでない。
(1) いずれかの土地に所有権の登記及び承役地についてする地役権の登記以外の権利に関する登記が存する場合(その登記が先取特権、質権又は抵当権に関するものであつて、その登記と登記原因、その日付、登記の目的及び受付番号が同一である登記のみが他の土地に存する場合を除く。)
(2) いずれかの土地が農地法(昭和27年法律第229号)第3条第2項第6号に規定する農地又は採草放牧地である場合(いずれもの土地が同号に規定する土地であつて、同法第36条又は第61条の規定による売渡しが同日付で行われたものである場合を除く。)
(3) いずれかの土地に所有権の登記がない場合(いずれもの土地に所有権の登記のない場合を除く。)
(一部合併があつたものとしての調査)
第25条 甲地が第23条の規定により分割があつたものとしての調査ができる場合で、かつ、甲地の一部と乙地についてその筆界を現地について確認することができないため前条の規定に準じ合併があつたものとして調査することが適当であると認められる場合には、前2条の規定にかかわらず、当該土地の所有者の同意を得て、甲地の一部を乙地に一部合併があつたものとして調査するものとする。
(代位登記の申請)
第26条 前2条の調査を行おうとする場合において必要があるときは、あらかじめ、法第32条の2の規定による代位登記の申請を行うものとする。
(長狭物の調査)
第27条 道路、運河、用悪水路、堤防、みぞ、導水管、送水管、排水管、鉄道線路、軌道又は河川等の敷地(以下「長狭物」という。)が相互に交さする場合には、その交さ部分を、次の例により、判定するものとする。ただし、法令又は慣習により明らかな場合には、この限りではない。
(1) 河川と道路又は鉄道線路とが交さする場合には、河川とする。
(2) 道路と用悪水路又はみぞとが交さする場合において用悪水路又はみぞが暗きよのときは公衆用道路、開きよのときは用悪水路又は井溝とする。
(3) 道路と鉄道線路とが交さする場合において、当該交さがこ道橋によるときは公衆用道路、こ線橋によるとき又は平面交さによるときは鉄道用地とする。
(4) 道路と導水管、送水管又は配水管とが交さする場合には、公衆用道路とする。
(5) 道路と堤防とが交さする場合には、堤とする。
(6) 鉄道線路と堤防とが交差する場合には、鉄道用地とする。
2 同種の長狭物が交差する場合において、当該長狭物に級別又は路線番号が有るときは、その交さする部分は、上級のもの又は路線番号の若いものに属するものと判定するものとする。
(地目の調査)
第28条 地目の調査は、毎筆の土地について、その主たる用途について行うものとする。
2 前項の調査の結果に基づき、地目を不動産登記法施行令(昭和35年政令第228号)第3条に定める区分により区別し当該地目と調査図素図の地目とが異なる場合には、その変更の年月日を調査し調査図素図に記録するものとする。
(筆界の調査)
第29条 筆界は、慣習、筆界に関する文書等を参考とし、かつ、土地の所有者その他の利害関係人又はこれらの者の代理人の確認を得て調査するものとする。
2 前項の確認が得られないときは、調査図素図の当該部分に「筆界未定」と朱書するものとする。
(地番が明らかでない場合等の処理)
第30条 登記されている土地で、地番が明らかでないもの又は地番に誤りがあるものについては、当該土地の所有者の同意を得て仮地番を定め、これを調査図素図に記録するとともに、当該土地の地籍調査票に、当該同意があつた旨及びその年月日を記載し、その者に署名押印させるものとする。
(分割があつたものとして調査する場合の処理)
第31条 第23条の規定により甲地の一部について分割があつたものとして調査する場合には、当該土地の所有者の同意を得て甲地及び甲地から分割される部分(以下「分割地」という。)について仮地番を定め、調査図素図に記録するものとする。この場合においては、分割地について新たに地籍調査票を作成し、甲地及び当該分割地の地籍調査票に、当該同意があつた旨及びその年月日を記載し、その者に署名押印させるものとする。
(合併があつたものとして調査する場合の処理)
第32条 第24条の規定により二筆以上の土地について合併があつたものとして調査する場合又は第25条の規定により甲地の一部を乙地に一部合併があつたものとして調査する場合には、当該土地の所有者の同意を得て合併により一筆となるべき土地について仮地番を定め、調査図素図に記録するものとする。この場合においては、合併があつたものとして調査されるそれぞれの土地の地籍調査票に、当該同意があつた旨及びその年月日を記載し、その者に署名押印させるものとする。
(新たに土地の表示の登記をすべき土地を発見した場合の処理)
第33条 新たに土地の表示の登記をすべき土地を発見した場合には、仮地番を定め、かつ、当該土地の所有者及び地目並びに土地の表示の登記をすべき土地となつた年月日を調査して調査図素図に記録するとともに、当該土地について新たに地籍調査票を作成するものとする。
2 前項の場合においては、所有者を確認した経緯を地籍調査票に記録するものとする。
(滅失した土地等がある場合の処理)
第34条 海没等により滅失した土地について、所有者が滅失があつたものとして調査することを承認した場合には、その滅失の時期及び事由を調査して調査図素図に記録するとともに、当該土地の地籍調査票にその時期及び事由並びに当該承認があつた旨及びその年月日を記載し、その者に署名押印させるものとする。
2 存在しない土地について誤つて登記されている場合において、所有者が当該土地を存在しないものとして調査することを承認した場合には、その不存在の事由を調査して当該土地の地籍調査票にその事由並びに当該承認があつた旨及びその年月日を記載し、その者に署名押印させるものとする。
3 前2項の場合において所有者が承認しない場合には、現地確認不能として調査図素図に記録するとともに、当該土地の地籍調査票にその旨及び経緯を記載するものとする。
4 海没等による滅失又は登記の錯誤以外の事由により、登記されている土地で現地について確認することができないものについては、前項の規定に準じて処理するものとする。
(地番の変更を必要とし又は適当とする場合の処理)
第35条 登記されている土地について、地番区域の変更にともない地番の変更を必要とする場合又は地番が次の各号の一に掲げる場合に該当するためこれを変更することが適当であると認める場合には、当該土地の所有者の同意を得て仮地番を定め、調査図素図に記録するとともに、当該土地の地籍調査票に、当該同意があつた旨及びその年月日を記載し、その者に署名押印させるものとする。
(1) 地番が数字以外の符号で表示されている場合
(2) 枝番号に更に枝番号が付されている場合
(3) 地番が著しく入り乱れている場合
2 地番区域内の全部の土地について、前項の規定により仮地番を定めたときは、地番対照表及びその写しを作成し、地番区域(地番区域の変更に伴い地番の変更を必要とする場合にあつては、変更前の地番区域)ごとに地番対照表及びその写の別に一冊につづるものとする。
第4章 地籍測量
第1節 総則
(地籍測量の方式)
第36条 地籍測量は、次の各号に掲げる方式のいずれかによつて行うものとする。
(1) 地上測量による方式(以下「地上法」という。)
(2) 空中写真測量による方式(以下「航測法」という。)
(3) 前2号の方式を併用する方式(以下「併用法」という。)
2 航測法は、次の各号に掲げる洋式のいずれかによつて行うものとする。
(1) 座標計算により筆界点の位置を求める方式(以下「航測数値法」という。)
(2) 正射写真図上において筆界点の位置を求める方式(以下「正射写真図法」という。)
(測量の基礎とする点)
第37条 地籍測量は、基本三角点(測量法(昭和24年法律第188号)第2章の規定による基本測量の成果である三角点をいう。以下同じ。)若しくは基本水準点(同法第2章の規定による基本測量の成果である水準点をいう。)又は法第19条第2項の規定により認証され若しくは同条第5項の規定により指定された基準点を基礎として行わなければならない。
(位置及び方向角の表示の方法)
第38条 地籍測量における地点の位置は、令別表第1に掲げる平面直角座標系(以下「座標系」という。)による平面直角座標値(以下「座標値」という。)及び測量法施行令(昭和24年政令第322号)第2条第2項に規定する日本水準原点を基準とする高さ(以下「標高」という。)で表示するものとする。
2 方向角は、当該地点が属する座標系のX軸に平行な当該地点を通る軸の正の方向を基準とし、右回りに測定して表示するものとする。
(地籍図の図郭)
第39条 令第2条第1項第6号の規定による地籍図の図郭は、地図上において座標系原点からX軸の方向に30センチメートル、Y軸の方向に40センチメートルごとに区画して定めるものとする。
(原図)
第40条 地籍測量の結果作成された地図(複製されたものを除く。)を地籍図原図(以下「原図」という。)とする。
第2節 地上法
第1款 総則
(作業の順序)
第41条 地上法による地籍測量は、次の各号に掲げる作業の順序に従つて行うものとする。
(1) 地籍図根三角測量
(2) 地籍図根多角測量
(3) 細部図根測量
(4) 一筆地測量
2 前項第1号及び第2号に掲げる作業を地籍図根測量と、同項第3号及び第4号に掲げる作業を地籍細部測量と総称する。
3 地籍図根測量は、一筆地調査と併行して行うことができる。
(地籍図根点)
第42条 地籍図根三角測量により決定された点を地籍図根三角点、地籍図根多角測量により決定された点を地籍図根多角点といい、これらを地籍図根点と総称する。
2 前項に定めるほか、基準点測量により決定された節点及び基準多角点を地籍図根三角点とすることができる。
(地籍図根点の配置)
第43条 地籍図根点の配置に当たつては、調査地域における基本三角点及び基準点測量作業規程準則(昭和61年総理府令第51号)第2条に規定する四等三角点(以下「四等三角点等」という。)の配置を考慮し、四等三角点等及び地籍図根点(以下「地籍図根点等」という。)の密度を定めるものとする。
2 地籍図根点等の密度は、調査地域における単位面積当たりの土地の筆数、地形、地物、見通し障害等の状況、隣接する地域における地籍測量の精度及び縮尺の区分その他の事項を考慮して定めるものとする。
(地籍図根測量の方法)
第44条 地籍図根測量は、多角測量法により行うものとする。ただし、地籍図根三角測量において、地形の状況等によりやむを得ない場合には、直接水準測量法を併用することができる。
(地籍細部測量の基礎とする点)
第45条 地籍細部測量は、地籍図根点等を基礎として行うものとする。この場合において、地籍図根多角点は、当該地籍細部測量の精度区分以上の精度区分に属するものでなければならない。
(地籍細部測量の方法)
第46条 地籍細部測量は、数値法若しくは図解法により、又はこれらを併用して行うものとする。
第2款 地籍図根三角測量
(地籍図根三角点の選定)
第47条 地籍図根三角点は、後続の測量を行うのに便利であり、かつ、標識の保存が確実である位置に選定するものとする。
2 地籍図根三角点は、地籍図根三角測量を行う区域に平均的に配置するように選定するものとする。
(多角路線の選定)
第48条 地籍図根三角測量における多角路線(以下この条及び次条において単に「多角路線」という。)の選定に当たつては、四等三角点等又は地籍図根三角点(以下「地籍図根三角点等」と総称する。)を結合する多角網を形成するように努めなければならない。ただし、地形の状況等によりやむを得ない場合には、単路線を形成することができる。
2 多角路線は、なるべく短い経路を選定しなければならない。
3 多角路線の次数は、四等三角点等を基礎として2次までとする。ただし、地形の状況等によりやむを得ない場合には、3次までとすることができる。
(選点図)
第49条 地籍図根三角点及び多角路線の選定の結果は、地籍図根三角点選点図に取りまとめるものとする。
(標識)
第50条 地籍図根三角点には、標識を設置するものとする。
(観測、測定及び計算)
第51条 地籍図根三角測量における観測及び測定は、水平角、鉛直角、器械高、目標の視準高及び距離について行うものとする。ただし、必要な場合には、気圧及び温度の観測を行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、直接水準測量法による地籍図根三角測量においては、高低差の観測及び距離の測定を行うものとする。
3 地籍図根三角点の座標値及び標高は、前2項の観測及び測定の結果に基づいて求めるものとし、その結果は、地籍図根三角網点図及び地籍図根三角点成果簿に取りまとめるものとする。
第3款 地籍図根多角測量
(地籍図根多角点の選定)
第52条 地籍図根多角点は、後続の測量を行うのに便利であり、かつ、標識の保存が確実である位置に選定するものとする。
(多角路線の選定)
第53条 地籍図根多角測量における多角路線(以下第55条までにおいて単に「多角路線」という。)の選定に当たつては、地籍図根点等を結合する多角網又は単路線を形成するように努めなければならない。
2 多角路線の与点となる地籍図根多角点は、当該路線についての地籍測量の精度区分以上の精度区分に属するものでなければならない。
3 多角路線の次数は、地籍図根三角点等を基礎として3次までとする。
(地籍図根多角交会点の選定)
第54条 後続の測量に資するために必要がある場合には、地籍図根多角測量に伴つて多角路線外に地籍図根多角交会点を選定することができる。
2 地籍図根多角交会点は、地籍図根多角測量における与点とすることができない。
(選点図)
第55条 地籍図根多角点及び多角路線の選定の結果は、地籍図根多角点選点図にまとめるものとする。
(標識)
第56条 地籍図根多角点には、標識を設置するものとする。ただし、自然物又は既設の工作物を利用することを妨げない。
(観測、測定及び計算)
第57条 地籍図根多角測量における観測及び測定は、水平角、鉛直角、器械高、目標の視準高及び距離について行うものとする。ただし、必要な場合には、気圧及び温度の観測を行なうものとする。
2 地籍図根多角点の座標値は、前項の観測及び測定の結果に基づいて求めるものとし、その結果は、地籍図根多角点網図及び地籍図根多角点成果簿に取りまとめるものとする。
第4款 細部図根測量
(細部図根測量の方法)
第58条 数値法による細部図根測量は、多角測量法によることを原則とする。ただし、見通し障害等によりやむを得ない場合には、放射法によることができる。
2 図解法による細部図根測量は、前方交会法又は側方交会法(以下「交会法」と総称する。)によるものとする。
(細部図根点)
第59条 細部図根測量により決定された点を細部図根点という。
2 数値法により決定された細部図根点を数値図根点といい、図解法により決定された細部図根点を図解図根点という。
3 前項の数値図根点のうち多角測量法により決定された点を細部多角点という。
(細部図根点の選定)
第60条 細部図根点は、後続の測量を行うのに便利であり、かつ、標識の保存が確実である位置に選定するものとする。
2 図解法において、平板に図示される区域(以下「平板の区域」という。)と隣接する平板の区域とが相互に重複する区域については、その区域の図形の接合を調整するため、共通の図郭線(図郭線によらないで接合する場合にあつては、その接合線)に沿つて、地籍図根点及び細部図根点(以下「細部図根点等」という。)のうちから、共用図根点を選定するものとする。
(標識)
第61条 細部図根点には、標識を設置するものとする。ただし、自然物又は既設の工作物を利用することを妨げない。
(多角測量法)
第62条 多角測量法による細部図根測量における多角路線(以下この条において単に「多角路線」という。)の選定に当たつては、地籍図根点等又は細部多角点(以下「細部多角点等」と総称する。)を結合する多角網又は単路線を形成するように努めなければならない。ただし、見通し障害等により真にやむを得ない場合には、閉合路線を形成することができる。
2 多角路線の与点となる細部多角点等は、当該路線についての地籍測量の精度区分以上の精度区分に属するものでなければならない。
3 多角路線の次数は、地籍図根点等を基礎として2次までとする。
(放射法)
第63条 放射法による細部図根測量は、細部多角点等を与点として行うものとする。
2 放射法による数値図根点の次数は、地籍図根点等を基礎として2次までとする。
(図解法)
第64条 図解法による細部図根測量は、平板の区域内のすべての地籍図根点等及び数値図根点(以下「数値図根点等」という。)を原図用紙上にプロットして行うものとする。
(図解図根点の条件)
第65条 図解図根点は、次の各号に掲げる条件に従つて決定されるようにしなければならない。
(1) 方向線の数は、3以上であること。
(2) 方向線の図上の長さは、アリダードの定規縁の長さを越えないこととし、かつ、平板を標定するために用いた線の図上の長さを越えないこと。
(3) 方向線の作る交会角は、いずれかの3方向線の作る交会角がそれぞれ30度以上であること。
(4) 図解図根点の次数は、数値図根点等を基礎として2次までであること。
(数値図根点配置図等)
第66条 細部図根測量の結果は、図郭の区域ごとに、数値法にあつては数値図根点配置図及び数値図根点成果簿に、図解法にあつては機何写図に取りまとめるものとする。
2 前項の場合において、数値図根点配置図は、地籍図根多角点網図において取りまとめることができるものとする。
第5款 一筆地測量
(一筆地測量の基礎とする点)
第67条 一筆地測量は、数値法にあつては数値図根点等を、図解法にあつては細部図根点等を基礎として行うものとする。
(分派点)
第68条 図解法において、見通し障害等のために細部図根点等のみを基礎として一筆地測量を行うことができない場合には、細部図根点等から方向及び距離を測定して分派点を求め、当該分派点を基礎として一筆地測量を行うことができる。この場合においては、当該分派点を機何写図に表示するものとする。
(一筆地測量の方法)
第69条 数値法による一筆地測量は、放射法、多角測量法、割込法、距離法又は交点計算法によるものとする。
2 図解法による一筆地測量は、放射法、交会法、又は割込法によるものとする。
(次数の制限)
第70条 数値法による一筆地測量における筆界点の次数は、数値図根点等を基礎として、多角測量法にあつては2次まで、その他の方法にあつては1次までとする。この場合において、地籍図根三角点等を基礎として求めた筆界点の通算次数は、6次までとする。
2 図解法による一筆地測量における筆界点の次数は、細部図根点等又は分派点を基礎として1次までとする。
(筆界点の点検)
第71条 筆界点の位置は、その位置が現地の位置を正しく表示しているかどうかを点検するように努めなければならない。
(図形の接合)
第72条 図解法にあつては、筆界点等の表示を終えた地籍図素図(以下「素図」という。)を用いて、当該素図の図形と隣接する素図の図形との接合を行うものとする。
(原図の作成)
第73条 原図は、仮作図又は図形整理を行い図形その他の事項に誤りがないことを確かめた後、地籍図の様式を定める総理府令(昭和61年総理府令第54号)に基づいて必要な事項を表示した上、原図用紙又は素図に製図して作成するものとする。
2 前項の作業を終えたときは、数値法にあつては筆界点番号図、筆界点成果簿及び地籍図一覧図を、図解法にあつては地籍図一覧図を作成するものとする。
(地籍明細図)
第74条 原図の一部について当該部分に属する一筆地の状況が当該原図の縮尺では、所要の精度をもつて表示されることが困難である場合には、当該部分について所要の精度を表示するに足りる縮尺の地籍明細図を別に作成することができる。
第3節 航測法
(作業の順序)
第75条 航測法による地籍測量は、次の各号に掲げる作業の順序に従つて行うものとする。ただし、第3号の作業は、第2号の作業の前に行うことができる。
(1) 対空標識の設置(標定点及び航測図根点の選定を含む。)
(2) 空中写真撮影
(3) 標定点測量
(4) 空中三角測量(正射写真図の作成及び補備測量を含む。)
(5) 図化
2 併用法による地籍測量については、第41条及び前条に規定する作業の順序を考慮してその順序を定めるものとする。
(標定点及び航測図根点の選定)
第76条 標定点は、既設の地籍図根三角点等のほか、必要な場合には新設点をこれに充てるものとする。この場合において、既設の地籍図根三角点等が他市町村に属する場合には、あらかじめ標定点として使用することについて他市町村に了解を求めておくものとする。
2 標定点は、次の各号に掲げる条件に基づいて選定しなければならない。
(1) 対空標識が明瞭に撮影される地点であること。
(2) 多角測量法により著しい困難を伴うことなく当該地点の位置を決定することができる地点であること。
(3) 後続の測量を行うのに便利な地点であること。
(4) 対空標識及び標識の設置が容易であり、かつ、これらが確実に保存される地点であること。
3 前2項の選定の結果は、標定点選点図に取りまとめるものとする。
4 航測図根点は、第2項第1号、第3号及び第4号に掲げる条件に基づいて選定しなければならない。
5 前項の選定の結果は、航測図根点選点図に取りまとめるものとする。
6 標定点及び航測図根点(以下「航測図根点等」という。)には、標識を設置するものとする。ただし、航測図根点にあつては、自然物又は既設の工作物を利用することを妨げない。
(対空標識の設置)
第77条 対空標識は、航測図根点等及び筆界点に設置するものとする。ただし、所要点の位置を間接的に決定できるような地点に設置することができる。
(空中写真撮影)
第78条 空中写真撮影は、次の各号に掲げる条件にしたがつて行わなければならない。
(1) 空中写真撮影及び空中三角測量に使用する器械及び器材の組合せ並びに地形その他の条件を考慮して、適切な撮影縮尺を選定すること。
(2) 同一コースに属する相隣る写真画面は、コース方向について、その6割の画面が重複するのを原則とすること。
(3) 相隣るコースに属する各コースの相隣る写真画面は、コース方向に直角な方向について、その3割の画面が重複するのを原則とすること。
(4) 写真画面の水平面に対する傾斜角は、5度以内であること。
(5) 写真画面のコース方向に対する水平回転角は、10度以内であること。
(6) 空中写真撮影は、原則として、気象条件が良好で、かつ、撮影に適した時期に行うこと。
(7) 露出時間は、飛行速度、使用フィルム、フィルター、撮影高度等を考慮して、画像が十分な鮮明さを保つよう適正に定めること。
2 前項の空中写真撮影を終えたあと、引き伸ばした空中写真を用いる現地確認により、対空標識の確認を行うものとする。
(標定点測量)
第79条 第42条第2項、第44条、第48条及び第51条の規定は、標定点測量を行う場合について準用する。
2 前項の測量の結果は、標定点網図及び標定点成果簿に取りまとめるものとする。
(空中三角測量)
第80条 空中三角測量における調整及び座標計算は、解析法によるものとする。
2 前項の測量の結果に基づき、航測数値法にあつては正射写真図を、正射写真図法にあつては正射写真地籍図素図を作成するものとする。
(補備測量)
第81条 対空標識の破損その他の理由により航測図根点及び筆界点の位置が求められない場合には、補備測量を行わなければならない。
2 第44条、第45条、第53条、第57条、第58条第1項、第59条から第63条まで、第66条、第67条、第69条第1項及び第70条第1項の規定は、航測数値法において補備測量を行う場合について準用する。この場合において、航測図根点等の配置状況等によりやむを得ない場合には、航測図根点と同等の精度を有すると認められる筆界点を一筆地測量の基礎とすることができる。ただし、当該一筆地測量の次数は、1次までとする。
3 第44条から第46条まで、第53条及び第57条から第70条までの規定は、正射写真図法において補備測量を行う場合について準用する。
4 前3項の補備測量を終えたとき又は補備測量を必要としないときには、航測数値法にあつては第71条に規定する点検を、正射写真図法にあつては第71条に規定する点検及び第72条に規定する図形の接合を行うものとする。
(航測図根点配置図等)
第82条 前2条の測量の結果は、航測数値法にあつては航測図根点配置図、航測図根点成果簿、筆界点番号図及び筆界点成果簿に、正射写真図法にあつては航測図根点配置図、航測図根点成果簿及び正射写真地籍図原図に取りまとめるものとする。
(原図の作成)
第83条 第73条及び第74条の規定は、航測法において原図を作成する場合について準用する。
第5章 地積測定
(地積測定の方法)
第84条 地積測定は、現地座標法、図上座標法、又は光学的図上法により行うものとする。ただし、必要な場合には、現地距離法又はプラニメータ法を併用するものとする。
(調整及び点検)
第85条 図郭の区域を構成する各筆の面積の合計は、図郭の区域の面積に等しくなるように調整しなければならない。
2 現地座標法により地積測定を行つた場合には、原則として単位区域ごとに、単位区域を構成する各筆の面積の合計と当該単位区域の面積が等しくなるかどうかを点検するものとする。
(地積測定成果簿)
第86条 地積測定の結果は、地積測定成果簿に取りまとめるものとする。
2 地積測定成果簿における地積は、平方メートルを単位とし、1平方メートルの千分の1未満の端数を四捨五入して表示するものとする。
第6章 地籍図及び地籍簿の作成
(地籍簿案)
第87条 一筆地調査、地籍測量及び地積測定を終了したときは、地籍簿案を作成するものとする。
2 前項の地籍簿案は、地籍調査標、調査図、原図及び地積測定成果簿に基づいて、地籍簿用紙に必要な事項を記載して作成するものとする。
3 地籍簿案における地積は、次の各号に掲げるところに従つて表示するものとする。
(1) 宅地及び鉱泉地の地積は、平方メートルを単位とし、1平方メートルの百分の1未満の端数は、切り捨てる。
(2) 宅地及び鉱泉地以外の土地の地積は、平方メートルを単位とし、1平方メートル未満の端数は、切り捨てる。ただし、一筆の地積が10平方メートル未満のものについては、1平方メートルの百分の1未満の端数は、切り捨てる。
(地籍図及び地籍簿)
第88条 原図及び地籍簿案について、法第17条の規定による手続が終了したときは、それぞれを地積調査の成果としての地籍図及び地籍簿とする。
2 地籍図及び地籍簿は、そのままで保管しなければならない。ただし、地籍調査後の土地の異動等については、地籍図写及び地籍簿写を用いて継続的に補正するものとする。
(地籍図写)
第89条 地籍図写は、次の各号に掲げるところに従つて複製するものとする。
(1) 地籍図と同一縮尺であること。
(2) ひずみがなく、かつ、鮮明であること。
(3) 十分な耐久性が保証されること。
附 則
この規程は、昭和62年7月1日から施行する。