○大桑村自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例
平成28年12月22日条例第25号
大桑村自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、大桑村の恵まれた自然環境、景観及び安全安心な生活環境の保全及び形成と東日本大震災後導入が進む再生可能エネルギー事業との調和を図るため必要な事項を定めることにより、自然環境や生活環境等に配慮するとともに、潤いのある豊かな地域社会の発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 村民の長年にわたる努力により形成された、自然環境、景観及び安全安心な生活環境は、村民の共通の財産として、将来にわたってその恵沢を享受できるよう、地域住民の意向を踏まえて、その保全及び活用が図られなければならない。
(定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 再生可能エネルギー発電設備設置事業 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号。以下「法」という。)第2条第3項に規定する設備(送電に係る鉄柱を除く。)の設置を行う事業をいう。
(2) 事業者 再生可能エネルギー発電設備設置事業(以下「事業」という。)を行う者をいう。
(3) 事業区域 事業を行う一団の土地(継続的又は一体的に事業を行う土地を含む)をいう。なお、既に施行している事業の事業区域の近接地において一体的な事業を施行する場合は、その面積を合算するものとする。
(4) 着手 再生可能エネルギー設備の設置にかかる土地の形質変更・木竹の伐採等の工事を始める日をいう。
(5) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(6) 地区 その区域に事業区域を含み又はその区域が事業区域に隣接する地域をいう。
(7) 近隣関係者 事業区域に隣接する土地、当該土地にある建築物又は再生可能エネルギー発電設備からの水平距離が当該発電設備の高さの2倍の範囲内にある土地若しくは建築物を所有する者をいう。
(村の責務)
第4条 村は、第2条に定める基本理念にのっとり、この条例の適切かつ円滑な運用を図るよう必要な措置を講ずるものとする。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、関係法令等及びこの条例を遵守し、本村の恵まれた自然環境、景観及び安全安心な生活環境に十分配慮し、村民の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。
2 事業者は、法第2条第3項に規定する設備の設置を計画する場合は、この条例に定めるもののほか、「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」(環境省公表、令和2年3月)も遵守するよう努めなければならない。
3 事業者は、その事業に必要な公共施設及び公共的施設を自らの負担と責任において整備するように努めなければならない。
4 事業者は、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域の万全な管理を行うよう努めなければならない。
5 事業者が再生可能エネルギー発電施設を他に譲渡したときは、譲り受けたものが再生可能エネルギー発電設備及び事業区域の万全な管理を行うよう指示し、その責務を引き継ぐように努めなければならない。
6 事業者は、再生可能エネルギー発電設備が不要となった場合、速やかに再生可能エネルギー発電の施設、設備を収去して原状回復に努めなければならない。
(村民の責務)
第6条 村民は、第2条に定める基本理念にのっとり、村の施策及びこの条例に定める手続きの実施に協力するよう努めなければならない。
(抑制区域の指定)
第7条 村長は、次に掲げる事由により特に必要があると認めるときは、事業を抑制する区域(以下「抑制区域」という。)を指定することができる。
(1) 自然災害の発生が危惧される場所であること。
(2) 特色ある景観が広く親しまれていること。
(3) 保全すべき景観が保たれていること。
(4) 地域住民が安全安心して暮らせる環境が保たれていること。
(5) その他村長が必要と認める事由
2 村長は、必要があると認めるときは、抑制区域を変更し、又はその指定を解除することができる。
(適用除外)
第8条 この条例の規定は、建築物の屋根又は屋上に再生可能エネルギー発電設備を設置する事業には適用しない。
(届出及び同意)
第9条 事業者は、村内において事業を施行しようとするときは、当該事業に着手しようとする90日前までに、次に掲げる事項を村長に届け出て、村長の同意を得なけれならない。
(1) 事業者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)
(2) 事業の着手予定日及び完了予定日
(3) 事業区域の所在地及び面積
(4) 事業内容
(5) 前各号に定めるもののほか規則で定める事項
2 事業者は、前項の規定により届け出た事項に変更が生じたときは、速やかにその旨を村長に届け出て、村長の同意を得なければならない。
(同意の制限)
第10条 村長は、事業区域の全部又は一部が抑制区域内に位置するときは、同意しないものとする。ただし、事業区域の総面積が100平方メートル以下の事業及び法第2条第4項第2号の規定に掲げるエネルギー源にかかる再生可能エネルギー発電設備の高さが10メートル以下の事業又は村長が特に必要と認める場合にあってはこの限りではない。
(住民等への説明等)
第11条 事業者は、第9条第1項の規定による届出を行う前に、地区の住民及び近隣関係者(以下「住民等」という。)に対して、同項第1号から第4号までに掲げる事項を周知し、事業の施行等について説明会を開催しなければならない。
2 事業者は、第9条第2項の規定による変更協議を行う前に、住民等に対し、事業内容等の変更に関する説明会を開催しなければならない。ただし、事業内容等の変更が軽微で村長が説明会の開催を要しないと認めたときは、この限りでない。
3 事業者は、住民等の理解が得られるように努めるものとする。
4 村長は、必要があると認めるときは、住民等の意見を聴くことができる。
(審査)
第12条 村長は、第9条の規定による届出及び同意に当っては、審査を実施し、必要に応じて大桑村環境基本条例第23条第1項に規定する大桑村環境審議会(以下「審議会」という。)から意見を聞くものとする。
(審査終了の通知)
第13条 村長は、審査が終了したときは、事業者に終了した旨の通知をするものとする。
2 村長は、必要に応じて、前項の通知に意見を付すものとする。
(事業の着手等の届け出)
第14条 事業者は、事業の着手、完了、中止又は再開をした場合は、速やかに村長に届け出なければならない。
(事業の完了の確認)
第15条 村長は、前条の規定により完了の届出があったときは、確認するものとする。
(報告及び立入調査)
第16条 村長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対し報告若しくは資料の提出を求め、又は村の職員に事業区域に係る土地に立ち入り、当該事業に関する事項について調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする村の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立ち入り調査の権限は、これを犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(指導、助言又は勧告)
第17条 村長は、必要があると認めるときは、事業者に対して、必要な措置を講ずるよう指導又は助言を行うことができる。
2 村長は、必要があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する者に対し、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(1) 第9条の規定による協議をせず、又は虚偽の協議をした者
(2) 正当な理由なく第13条の規定による通知を受ける前に事業に着手した者
(3) 前条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、同項の規定による立ち入り調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対し答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者
(4) 前項の規定による助言又は指導に正当な理由がなく従わなかった者
(公表)
第18条 村長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該勧告に従わない事業者の氏名及び住所並びに当該勧告の内容を公表することができる。
2 村長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ当該事業者に弁明の機会を与えなければならない。
(委任)
第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和2年6月4日条例第7号)
この条例は、公布の日から施行し、改正後の大桑村自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例の規定は令和2年4月1日から適用する。