○大桑村男女共同参画推進条例
令和6年9月26日条例第20号
大桑村男女共同参画推進条例
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画社会の実現を目指すために、男女共同参画の推進に関する基本理念を定め、村、村民、事業者、教育関係者、自治会等及び各種団体の責務を明らかにするとともに、村が実施する施策の基本的事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、全ての人が、互いの人権を尊重し、自分らしく暮らせる男女共同参画社会の実現を目指すことを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 男女共同参画 全ての人が、個人として尊重され、社会の対等な構成員として、互いにその人権を尊重し、責任を分かち合い、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、その個性と能力を発揮することにより、均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2) 村民 村内に住み、又は村内で働き学び、若しくは活動する者をいう。
(3) 事業者 村内において事業活動を行う全ての個人及び法人をいう。
(4) 教育関係者 村内において学校教育、社会教育その他の教育に携わる者をいう。
(5) 自治会等 自治会その他村内の一定の区域に住所を有する者が地域活動を促進するために組織された団体をいう。
(6) 各種団体 村内において自発的な社会活動を行う非営利団体をいう。
(7) 積極的改善措置 第1号に規定する機会に係る格差を改善するため必要な範囲内において、現在不利益を受けている人たちに対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(8) 性別による固定的役割分担意識 性別にかかわらず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるが、「男は仕事、女は家庭」というように、性別を理由として役割を固定的に分ける意識のことをいう。
(9) ダイバーシティ 性別(多様な性を含む。)、人種等の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観等の多様な人々が互いの違いを尊重することをいう。
(10) ワーク・ライフ・バランス 全ての人がやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭生活、地域活動、個人の自己啓発その他活動において多様な生き方を選択し、及び実現できる状態をいう。
(11) ドメスティック・バイオレンス 配偶者や恋人等密接な関係にある、又はあった者から受ける身体的、精神的、性的、経済的若しくは言葉の暴力(デートDVを含む。)又は虐待(子どもを巻き込んでの暴力を含む。)をいう。
(12) 各種ハラスメント 性別、宗教、信条、国籍、性的指向、障がいその他様々な個人的な理由から、相手の人格や尊厳を傷つける言動をいう。
(13) その他家庭内の暴力 前号に規定する暴力以外で、家庭内における児童・高齢者及び障がい者に対する身体的、精神的、性的、経済的若しくは言葉の暴力又は虐待などのあらゆる形態の暴力をいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画の推進は、次に掲げる事項を基本理念として行わなければならない。
(1) ダイバーシティの実現を目指し、全ての人が、個人として尊重され、差別的取扱いを受けることなく、様々な場面で個人としての能力を発揮できる機会が確保され、平等・対等な立場が保障され、自分らしく暮らせる社会が実現されること。
(2) 全ての人が、性別による固定的役割分担意識に基づく社会の制度又は慣行が、社会における活動の自由な選択に対し影響を及ぼすことがないよう配慮されること。
(3) 全ての人が、個人として尊重され、社会の対等な構成員として、社会のあらゆる分野において、村における政策又は事業者を含むあらゆる団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(4) 全ての人が、個人として尊重され、教育の果たす役割の重要性を考慮し、学校教育をはじめとするあらゆる分野の教育において、人権教育及び男女共同参画の教育が実現されるよう配慮されること。
(5) 家族を構成する全ての人が、互いの個性を尊重し、相互の協力と社会の支援の下、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、職場、社会等における活動と両立(ワーク・ライフ・バランス)できるよう配慮されること。
(6) 全ての人が、互いの性を理解し合い、妊娠、出産その他の性と生殖に関する健康と権利が尊重されること。
(7) ドメスティック・バイオレンス及び各種ハラスメントなどによる人権侵害は、社会的な構造が背景にあることの認識の下に、根絶されるよう配慮されること。
(8) 男女共同参画の推進は、国際社会における取組と協調の下に行われること。
(村及び村民等の協働)
第4条 村及び村民等(村民、事業者、教育関係者、自治会等及び各種団体をいう。以下同じ。)は、それぞれの主体的な取組及び相互の連携協力により男女共同参画の推進を協働して行わなければならない。
(村の責務)
第5条 村は、第3条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、実施する責務を有する。
2 村は、男女共同参画の推進に関する施策の実施にあたっては、国、県及び村民等と相互に連携し、協力を図らなければならない。
3 村は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
4 村は、村民等の模範となるように自ら率先して男女共同参画の推進に取り組まなければならない。
(村民の責務)
第6条 村民は、基本理念にのっとり、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努めるとともに、村が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力し、更なる推進に努めなければならない。
(事業者の責務)
第7条 事業者は、基本理念にのっとり、全ての人に対し雇用上の均等な機会及び待遇を確保するとともに、職場における活動に対等に参画する機会を確保し、職場、家庭その他の活動を両立して行うことができるよう職場環境を整備し、ワーク・ライフ・バランスの実現に努めなければならない。
2 事業者は、村が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力し、更なる推進に努めなければならない。
(教育関係者の責務)
第8条 教育関係者は、基本理念にのっとり、能力、個性を生かせる教育及び男女共同参画の教育の推進に努めなければならない。
2 教育関係者は、村が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力し、更なる推進に努めなければならない。
(自治会等の責務)
第9条 自治会等は、基本理念にのっとり、地域社会における自治の主たる担い手として重要な役割を果たす存在であることを考慮し、地域活動においては、男女共同参画の推進のための取組を行うとともに、村が実施する施策に協力し、更なる推進に努めなければならない。
2 自治会等は、全ての人が共に活動していくために、役職の構成にあたっては、性別等を理由に異なった取扱いをしないよう努めなければならない。
(各種団体の責務)
第10条 各種団体は、基本理念にのっとり、その活動において、方針の決定、計画の立案等において全ての人が、参画する機会を確保するよう努めなければならない。
2 各種団体は、村が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力し、更なる推進に努めなければならない。
(性別等による差別的取扱いなど人権侵害の禁止)
第11条 何人も、社会のあらゆる分野において、性別等による差別的取扱い、ドメスティック・バイオレンス、各種ハラスメント及びその他家庭内の暴力など他人の人権を侵害するいかなる行為もしてはならない。
(公衆に表示する情報に関する配慮)
第12条 何人も、公衆に表示し、又は発信する情報において、性別による固定的な役割分担、男女間における暴力、性的暴力等を正当化し、若しくは助長させるような表現又は人権を侵害するような過度の性的な表現を行わないよう配慮しなければならない。
(男女共同参画計画)
第13条 村長は、男女共同参画社会の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための男女共同参画計画を策定しなければならない。
2 村長は、男女共同参画計画を策定するにあたっては、あらかじめ村民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講じるとともに、第22条に規定する大桑村男女共同参画推進会議(以下「推進会議」という。)の意見を聴かなければならない。
3 村長は、男女共同参画計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。
4 前3項の規定は、男女共同参画計画の変更について準用する。
5 村長は、男女共同参画計画の実効性を高めるため、推進状況を把握し、及び分析して方策を講ずるものとする。
(施策の策定及び実施にあたっての配慮)
第14条 村は、あらゆる施策の策定及び実施にあたっては、男女共同参画社会の推進に配慮しなければならない。
(防災及び復興分野における措置)
第15条 村は、防災及び復興分野において、男女共同参画の視点を踏まえ情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(家庭生活との両立支援)
第16条 村は、全ての人が共に家事、子育て、介護その他家庭生活における活動と職場、学校及び地域等における活動とを両立して行うことができるよう、情報の提供その他の必要な支援に努めなければならない。
(積極的改善措置)
第17条 村は、事業者が積極的改善措置を講ずるために必要な情報の提供、相談、助言その他の支援を行わなければならない。
2 村は、附属機関等の委員を委嘱し、又は任命するときは、積極的改善措置を講ずることにより男女の均衡に努めなければならない。
(情報の提供及び理解を深めるための措置)
第18条 村は、男女共同参画の推進について、村民等の理解を深めるため、あらゆる分野において適切な情報の提供、広報及び啓発活動を講じなければならない。
(実施状況の公表)
第19条 村長は、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について、公表しなければならない。
(調査研究)
第20条 村は、男女共同参画の推進に関する施策を効果的に実施するために必要な調査研究を行わなければならない。
(活動への支援)
第21条 村は、村民等が男女共同参画の推進に関して行う活動を支援するための必要な措置を講じなければならない。
(推進会議)
第22条 男女共同参画の推進に関する施策を総合的、かつ、計画的に推進するため、推進会議を置く。
2 推進会議は、基本計画の策定及び変更に関する事項のほか、男女共同参画施策の推進に関し必要な事項について村長に意見を述べることができる。
3 推進会議は、委員10人以内をもって組織する。
4 委員は、識見を有する者、関係団体の構成員で、その団体の代表者が推薦する者及び村長が必要とする者の中から村長が委嘱する。
5 男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満であってはならない。
6 委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
8 第2項から前項までに定めるもののほか、推進会議の運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(委任)
第23条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、村長が定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。